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◆元裁判官の視点
従業員を解雇した場合、最終的には「労働審判」や「訴訟」に持ち込まれるケースがありますが、裁判官は解雇事案をどのように見ているのでしょうか?
今年4月に開催された厚生労働省の会合(透明かつ公正な労働紛争解決システム等の在り方に関する検討会)において、裁判官として36年の経験を持つ難波孝一氏(現在は弁護士)が解雇事案の傾向等について語った内容が同省のホームページで公開されていますので、その内容を一部抜粋してご紹介いたします。

◆訴訟における解雇事案の特徴
まず、訴訟の解雇事案では、労働者は会社で働くことを求めている事案が多く、「地位確認」を求めてくる事案が多いそうです。
中には、地位確認と言いながらも、すでに別な会社で働いており「果たしてこの労働者は本当に現職復帰を考えているのか?」と思う事案もあったそうですが、大多数のケースでは労働者は会社で働くことを求めている事案が多いようです。

◆労働審判における解雇事案の特徴
一方、労働審判の解雇事案では、労働者は会社を辞めることを念頭に置きながら、金銭解決を求めてくる事件が大多数だそうです。
そのため、会社で働くことを希望する労働者は、労働審判ではなくて仮処分で地位確認を求めることが多いようです。

◆解雇における解決金の判断要素
解雇事案では、最終的に解決金の支払いにより和解となるケースが多いですが、解決金額の判断要素にはどのようなものがあるでしょうか?
この点、難波氏によると、「解雇が有効か無効かの確度」、つまり訴訟であれば裁判官の心証、労働審判であれば委員会における心証が最大の判断要素になるとのことです。
また、「会社や労働者の経済状況」や、「会社がその労働者に辞めてもらいたい気持ちの強さ」、「労働者がその会社にずっと勤務して頑張りたいと思っている気持ちの強さ」といった点も影響し、さらには「解決に要する期間が今後どのぐらいかかるか」、「労働者の在職期間がどのくらいか」といったこと等も含め、総合的に判断されるようです。

中川社労法務事務所
代表 中川 博之(特定社会保険労務士)
ホームページ:http://www.sr-strategy.com

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